2012年6月に行われた、「黄金町バザール2012-revisit-公募展」への応募案です。黄金町の路地を露地と見立てて、黄金町の原初的空間のひとつである高架下という場所を体感してもらう組立式の茶室を提案しました。
会期中、黄金町周辺で活動されているアーティスト、社会的な活動されている方々、店舗の経営者などの方々と対話を行う場として提供されます。茶室という小空間による適度な緊張感の演出、靴を脱ぎ床座することで生み出される親密性は、少人数での対話をよりいっそう印象的なものにするでしょう。人と人との直接的な身体性をともなう対話が、より深い理解や興味を呼び起こし、作品や展示会、あるいは街への「revisit」再訪・再考を促すことになると考えました。
檜の薄板をならべた壁と竪格子・和紙・畳等の自然建材により、組立式茶室は構成されます。スリット窓によってスーパーインポーズされる高架下のコンクリートの列柱の風景、響く街や電車の音、高架下にまわり込むやわらかな光が、この茶室を黄金町ならではの特徴的な空間にするでしょう。